インターネットの世界で、リンクは情報と情報を繋ぐ重要な役割を果たしています。しかし、全てのリンクが同じように扱われるわけではありません。
その中でも特に注目されているのが「nofollow」という属性です。nofollowは一体どのような意味を持ち、どのように使うのでしょうか?
本記事では、nofollowの基本的な概念から設定方法、SEOへの影響までを詳しく解説していきます。nofollowを正しく理解し、適切に活用することで、ウェブサイトの価値を高めていきましょう。
nofollow属性の基本
nofollowの基本的な概念と役割について解説します。
nofollowの意味と役割
nofollowとは、HTMLのアンカータグ(<a>)に追加される属性の一つで、リンク先のページへ「リンクジュース」を渡さないように指示するものです。リンクジュースとは、リンク元のページからリンク先のページへ伝わるSEO上の価値のことを指します。
nofollowを設定することで、検索エンジンに対して「このリンクは信頼できない」または「このリンクに重要性はない」という意思表示をすることができます。つまり、nofollowは検索エンジンがリンク先のページを評価する際の手がかりとなるのです。
nofollowリンクとdofollowリンクの違い

通常のリンク(dofollow)は、リンク元のページからリンク先のページへリンクジュースを渡します。これにより、リンク先のページの検索エンジン上の評価が高まる可能性があります。
一方、nofollowリンクはリンクジュースを渡さないため、リンク先のページの評価に直接的な影響を与えません。ただし、nofollowリンクであってもクリック可能であり、ユーザーがリンク先のページへ移動することは可能です。
nofollowを設定する2つの方法
nofollowの設定方法には大きく分けて2つあります。
特定のリンクにnofollowを設定する手順
特定のリンクにnofollowを設定するには、以下のようにHTMLのアンカータグにrel=”nofollow”を追加します。
<a href="リンク先URL" rel="nofollow">リンクテキスト</a>
この方法で、個別のリンクにnofollowを設定することができます。
ページ全体のリンクにnofollowを設定する手順
ページ内の全てのリンクにnofollowを設定するには、以下のようにHTMLのheadタグ内にmetaタグを追加します。
<meta name=”robots” content=”nofollow”> |
この方法を使うと、ページ内の全てのリンクがnofollowとなります。ただし、このmetaタグはページごとに設定する必要があります。
nofollowを使うべきケース
nofollowの使用が推奨されるケースを見ていきましょう。
有料リンクやテキスト広告への設定
有料でリンクを購入したり、スポンサードコンテンツ内のリンクには、nofollowを設定することが重要です。これは、検索エンジンが有料リンクを自然なリンクと区別できるようにするためです。
GoogleをはじめとするSEO最適化検索エンジンは、有料リンクによる検索順位の操作を禁止しているため、有料リンクにはnofollowを設定しなければいけません。スポンサードコンテンツやアフィリエイトリンクなども同様に、nofollowの設定が必要不可欠です。
コメント欄のリンクへの設定
ブログやニュースサイトのコメント欄では、スパムや不適切なリンクが投稿されることがあります。これらのリンクによって、サイトの評価が下がるリスクがあるため、コメント欄のリンクにはnofollowを設定することをおすすめします。
WordPressなどの主要なCMSでは、コメント欄のリンクにデフォルトでnofollowが設定されています。自前でコメント機能を実装する場合は、リンクにnofollowを付与するようにしましょう。
信頼できないサイトへのリンク
信頼性の低いサイトや、内容が不適切なサイトへのリンクを貼る場合は、nofollowを設定することが賢明です。リンク先のサイトの質が低いと、自サイトの評価にも悪影響を及ぼす可能性があります。
信頼できるサイトへのリンクは、dofollowでつなぐことで、自サイトの価値を高めることができます。一方、怪しいサイトへのリンクはnofollowで処理し、自サイトへの影響を最小限に抑えることが大切です。
ユーザー生成コンテンツ(UGC)へのリンク
フォーラムやQ&Aサイトなど、ユーザーが自由に投稿できる場であるUGCでは、リンクの質をコントロールすることが難しくあります。そのため、UGCに投稿されたリンクには、デフォルトでnofollowを設定しておくことが無難です。
ただし、信頼できるユーザーによる投稿で、リンク先のサイトに問題がないことが確認できた場合は、dofollowに変更するという運用も可能です。UGCの特性を理解し、適切にnofollowを活用することが求められます。
ugcとsponsored属性の活用
nofollowと併せて活用したいugcとsponsored属性について解説します。
ugc属性の意味と使い方
ugc属性は、User Generated Contentの略で、ユーザー生成コンテンツを示すための属性です。フォーラムやコメント欄など、ユーザーが自由に投稿できる場所でのリンクに使用します。ugc属性を設定することで、そのリンクがUGCであることを検索エンジンに伝えることができます。
リンクにugc属性を設定するには、以下のようにrel属性に”ugc”を追加します。
<a href="リンク先URL" rel="ugc">リンクテキスト</a>
ugc属性は、検索エンジンがUGCを識別し、適切に評価するための手がかりとなります。
sponsored属性の意味と使い方
sponsored属性は、スポンサードコンテンツや広告リンクを示すための属性です。お金を払って掲載されたリンクや、アフィリエイトリンクなどに使用します。sponsored属性を設定することで、そのリンクがスポンサーコンテンツであることを検索エンジンに明示できます。
リンクにsponsored属性を設定するには、以下のようにrel属性に”sponsored”を追加します。
<a href="リンク先URL" rel="sponsored">リンクテキスト</a>
sponsored属性は、検索エンジンが広告リンクを自然なリンクと区別するための重要な手がかりとなります。
ugcとsponsoredの適切な使い分け
ugc属性とsponsored属性は、それぞれUGCとスポンサードコンテンツを示すための属性ですが、両者を明確に区別して使い分けることが大切です。UGCへのリンクにはugc属性を、広告リンクにはsponsored属性を設定するようにしましょう。
また、rel属性にはnofollowとugc(またはsponsored)を同時に指定することが可能です。以下のように記述することで、リンクがUGCやスポンサードコンテンツであり、かつnofollowであることを示せます。
<a href="リンク先URL" rel="nofollow sponsored">リンクテキスト</a>
ugcとsponsoredを適切に使い分けることで、検索エンジンにリンクの性質を正確に伝えることができるのです。
nofollowのSEOへの影響と注意点
nofollowがSEOに与える影響と、使用する際の注意点を確認しましょう。
nofollowとSEOの関係性
かつてnofollowは、リンク先へのリンクジュースの受け渡しを完全にブロックする役割を果たしていました。
しかし、2019年9月にGoogleがnofollowの扱いを変更し、nofollowリンクをヒントの一部として使用することを発表しました。つまり、現在ではnofollowリンクであってもSEOにまったく影響がないわけではないということです。
nofollow の導入当時、Google は、このようにマークされたリンクを検索アルゴリズムで使用するシグナルと見なしていませんでした。このたび、この点も変更されました。すべてのリンク属性(sponsored、ugc、nofollow)は、Google 検索でどのリンクを考慮または除外すべきかに関するヒントとして扱われます。
Google検索セントラル
とはいえ、nofollowリンクがdofollowリンクと同等の効果を持つわけではありません。適切な場面でnofollowを使用することが、健全なSEO対策につながります。
nofollowを過剰に使用するリスク
サイト内のリンクをすべてnofollowにしてしまうと、逆にサイトの評価を下げる恐れがあります。なぜなら、nofollowばかりのサイトは、検索エンジンから「リンク構造に問題があるサイト」と見なされる可能性があるからです。
また、外部サイトへのリンクをすべてnofollowにすることは、ウェブ全体の健全性を損なう行為でもあります。適切なリンクにはdofollowを設定し、自然なリンク構造を保つことが大切です。
自然なリンク構造の重要性
検索エンジンは、サイトのリンク構造を分析することで、サイトの質や関連性を評価しています。だからこそ、自然なリンク構造を維持することが重要なのです。
内部リンクでのnofollowの扱い
サイト内のページ同士をつなぐ内部リンクは、基本的にすべてdofollowで構築するのが望ましいでしょう。なぜなら、内部リンクはサイト内の重要なページへの導線であり、サイト構造を検索エンジンに伝える役割を担っているからです。
一部のページへのリンクにnofollowを設定する場合は、そのページが重要でないことを示すことになります。内部リンクにnofollowを使用する際は、慎重に検討することが求められます。
内部リンクの活用方法に関してはこちらで詳しく解説しています。

外部リンクでのnofollowの扱い
他サイトへリンクを貼る際は、リンク先の質と関連性を見極めることが大切です。信頼でき、自サイトと関連性の高いサイトへのリンクはdofollowでつなぎ、リンクジュースを受け渡すことで、ウェブ全体の健全性に貢献しましょう。
一方、信頼性に欠けるサイトや、関連性の低いサイトへのリンクにはnofollowを設定し、自サイトへの影響を最小限に抑えることが賢明です。外部リンクの扱いは、サイトの評価を左右する重要な要素だといえます。
まとめ
nofollowは、リンクが検索エンジンにどのように伝えられるかを制御するための強力な属性です。有料リンクやコメント欄、UGCなどへの対策として、nofollowを適切に活用することが求められます。
また、ugcやsponsored属性を併用することで、リンクの性質をより明確に示すことができるでしょう。一方で、nofollowの過剰な使用は避け、自然なリンク構造を維持することがSEO上重要です。
内部リンクと外部リンクのバランスを考えながら、適材適所でnofollowを設定していきましょう。nofollowを正しく理解し、戦略的に活用することが、サイトの価値を高めるカギとなるのです。